悪循環の回路

 

女性たちが摂食障害から抜け出し難い状況におく、「やせなければならない」と思い込ませている社会的な力と、その力が隠ぺいされているしくみが存在する。それにはインタビューの女性たちがしばしば語る2つの矛盾する価値基準からみることができる。たとえばある女性の中では「女性はやせていることに価値がある」という価値観と<人間は絶対に外見じゃない>という価値観が同時に存在しているのである。

まず、彼女の摂食障害は前者の価値観によってひきおこされたものである。そこに後者の価値観が持ち込まれることによって、摂食障害から抜け出すことが困難になっていると浅野は主張している。つまりやせている女性を評価する価値観と、やせようとする努力をおろかなものだとする価値観が結びつくことによって、摂食障害の女性たちは葛藤状態の中に置かれているというのだ。